大人
私の職場は障害のある方の就労支援をするところのなので、様々な大学から実習のため多くの学生がやってくる。彼らを見ていると二つのことが思い浮かんできた。若者は「未来に対してビジョンを描きやすい立場」であること、そして「素直な心を小さくする障害がまだ少ない」ということ。
若者はいろんなことを経験できる機会が沢山あるし、夢や目標を持ちやすいと言える。しかし、大人になると、仕事や家庭のことで忙しく、やりたくてもやれないことが増えてくる。遠い理想よりも目の前の現実に集中しやすい。
大人になると、様々な経験をするから良くも悪くも自分の経験則で物事を判断するようになってくる。ときにそれが障害となり「本当はその人の成長にとって受け入れた方がよい言葉」を素直に受け入れることが出来なくなる。
「大人」は「大きい人」であるとも言える。人間には目に見えない心と、目に見える体がある。だから大人とは本来、体だけでなく心もある程度大きくなってこそ「大人」と言える。
相変わらずおかしな事件が後を絶たない。その原因は心が大人になっていない大人が多いからだ。心を正しく大きくする教育システムが最も緊要な課題である。